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人が生きていくのに写真は必要か? 幅允孝 (1/5ページ)

2014.3.4 15:40

丁寧に洗われ、データ化された写真たち。誰かの生の痕跡が確かにそこにある(高橋宗正さん撮影、提供写真)

丁寧に洗われ、データ化された写真たち。誰かの生の痕跡が確かにそこにある(高橋宗正さん撮影、提供写真)【拡大】

  • 「津波、写真、それから」(高橋宗正著/赤々舎、2730円、提供写真)
  • 「スカイフィッシュ」(高橋宗正著/赤々舎、2940円、提供写真)
  • 【本の話をしよう】ブックディレクター、幅允孝(はば・よしたか)さん(山下亮一さん撮影、提供写真)

 【本の話をしよう】

 それが、途方もなく長い道のりになることは、誰もが覚悟していたはずだった。

 当然のことながら、僕らは毎日を何とか生活してゆかねばならないし、一方で、風化とはまた別の、記憶との自発的な距離のとり方をさぐる術も、少しずつ会得しながら生きている。

 3年という時間の前に対峙する

 東日本大震災からもうすぐ3年になる。このほど発表された『津波、写真、それから』(1)という大判の本は、津波で流されてしまった写真を持ち主の手元に返そうとした活動の記録を、写真と文章でまとめたものだ。そして、3年という時間を積み重ねた僕らだからこそ、ここに並ぶ写真たちと、やっと対峙(たいじ)できるのではないだろうか。

 そのプロジェクトを牽引(けんいん)した何人かを代表する形で、高橋宗正という写真家の名前が本書にはクレジットされている。高橋のことは2010年に出版された『スカイフィッシュ』(2)という写真集で知っていた。「アンテナを全開に」しながら「思考をパタッと閉じて」写真を撮ると自ら語る彼は、日常のなんでもない瞬間を独特な切りとりかたをする。

「生きる」ということと「撮る」ということを同化させたい

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