例に挙げると、英国のスーパーチェーンでは、サッカーの元イングランド代表主将、デービッド・ベッカム氏が目隠しをしてブラインドサッカーを試みるCMを流しました。ベッカム氏ですら視界をふさがれればシュートが決まらないというシーンを通じて、パラリンピック競技のレベル、アスリートの能力の高さを伝えたのです。CMは、ベッカム氏がブラインドサッカーの選手に肩を貸し、誘導してフィールドを後にする場面で終わります。視覚障害のある人へのサポートの仕方を自然な形で伝えています。
大会の成功で、英国では障害者の雇用環境の改善につながっていく道筋も示されました。
意識変革、共感得やすい
もちろん、東京がロンドンのまねをする必要はありません。リオにはリオの、東京には東京での新たなパラリンピック・ムーブメントが起きていくことが大切だと思います。
例えば、足をけがした経験のある人ならば、階段を昇ったり降りたりする大変さがわかるでしょう。街を歩く人の中には、妊婦さんやベビーカーを押すお母さん、海外からスーツケースもった旅行者もいれば、お年寄りや子供たちもいます。いろいろな人の立場になって、快適な暮らしとは何かを考えていくことが第一歩になるのではないでしょうか。