作品の舞台に選んだ米国が標榜する自由と民主主義の価値観についてはどんな思いを抱いているのだろう。マックイーン監督は、英国のアラン・パーカー監督(70)が「愛と哀しみの旅路」(1990年、米国)の中で、米国で強制収容所に入れられた日系人を描いたことに言及し、「信じられないが、実際に起きたことだ。ソロモンの話も実際に起きた。グリム兄弟のおとぎ話みたいなもので、とてもダークなものだよ。奴隷制度は廃止されたわけではないんだよ。ただ、自由化されただけさ。現在も2100万人の人々が奴隷状態に置かれ、その人数は160年近く前のソロモンが生きた時代よりも多いんだ」。3月7日からTOHOシネマズみゆき座ほか全国順次公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)