この伝統に新たな風を注いでいるのが2人の女性、8代目の奥さまであり新蔵の女将、佐野睦子(むつこ)さんとお嬢さまの由佳(ゆか)さんです。「その土地で飲むのに一番旨い酒」をもっと気軽に愉(たの)しんでもらいたいという睦子さんの思いが、シンプルでモダンなロゴラベルの「男酒」、女性書家のたおやかな書体ラベルの「女酒」を実現しました。日本酒ソムリエの資格も持つ由佳さんが接客する試飲コーナーで、最高のリサーチができるのだそうです。容量はカップだけれど見た目はワインボトル風の日本酒は、女性客にも大好評。日本酒がちょっと苦手な方には、梅酒やスイーツに形を変えて。
「杜氏(とうじ)の手は美しい」ということから発想し、由佳さんが手がけた「蔵ら」という化粧品シリーズも誕生しました。「富士正の仕込み水」と純米酒「富士のかさ雲」を配合し、ほんのりお酒の香りも。プルプルな肌実感のハンドクリームは、まとめ買いのリピーターも多く、ボディミルクやミストスプレーも大好評だそうです。アイデアとバイタリティーいっぱいの女性陣と、酒造りには一歩も揺るぐことない若き杜氏と蔵人たち。柔軟な発想と伝統を受け継ぐ技術の絶妙なチームワークが、新しい世界を開く鍵となるようです。