138億年前に宇宙が急拡張を始めた際に生じた「重力波」の証拠を世界で初めて観測したと、米カリフォルニア工科大などのチームが3月17日、発表した。誕生時には目に見えないほど小さかった宇宙は、内部のエネルギーによって急膨張する“インフレーション”が起き、次の瞬間に火の玉となる“ビッグバン”に至ったと考えられている。佐藤勝彦自然科学研究機構長らが提唱したこの「インフレーション理論」を観測面から強く裏付けるもので、宇宙誕生のメカニズムの解明につながる成果。研究者らは「真実と確認できれば、ノーベル賞級の発見だ」と評価している。
「ノーベル賞級の発見」
重力波は、物体が動いた時に重力の影響で空間などが揺れて周囲に波のように広がる。アインシュタインが相対性理論で存在を予言したが、直接観測されたことはない。