【国際情勢分析】
中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区の政府系ニュースサイト、天山網によると、自治区の区都、ウルムチ市内で最近、「反動的なメッセージ」が印刷された一元紙幣が相次いで見つかった。この手法は、中国政府から非合法と指定されている気功集団「法輪功」が用いてきたものだ。新疆ウイグル自治区ではウイグル族に対する締め付けが強化されているとみられ、不満の高まりに乗じて共産党批判が広まることに、公安当局が神経をとがらせている。
伏せられた詳細
紙幣を見つけた市民は、額面が1元(約17円)と小さかったため、「いつ」「どこで」紙幣を受け取ったのか分からないとしている。サイトの記者が他の市民に聞いたところ、多くの市民が同じような紙幣を見つけたが、すぐに使ってしまったという。
紙幣に印刷されていたメッセージについては、「反動的な言論」としか報じられていない。しかし、中国政府や共産党を批判する内容が書かれていたことは、容易に想像できる。詳細を伏せているのは、メディアを通じて、その内容が拡散することを防ぐための配慮なのだろう。