【京都うまいものめぐり】
寺町京極商店街から路地を一本入ったところにある「ビストロ・ボンモルソー」。にぎやかな商店街とはうって変わり、緑豊かな木に隠れるようにひっそりとたたずんでいる。扉を開けると、フレンチポップスが流れ、壁には小さな額縁の絵やポスターがずらりと飾られている。古き良きパリの食堂に飛び込んだかのようだ。そんな女性受けする外観や内装とは裏腹に、提供されるのは内臓を主な食材にした料理の数々。私たちがよく知る華々しいフレンチではなく、古くから伝わる素朴な地方料理の神髄を味わった。
「リヨン地方の伝統料理をメーンに提供していますが、普通なら捨ててしまう部分もおいしく食べる工夫がされている。庶民の知恵がぎゅっと詰まっているんですよ」とシェフの久保正樹さん(43)。
「最高ランク」 癖のある香り
それを象徴する料理といえるのが、「自家製アンドゥィエット5A マスタード添え」といえるだろう。アンドゥイエットとは、豚の大腸や胃袋を直腸に詰めたソーセージのこと。