体育館では、家族代表が水中カメラを潜水士に渡して撮影させたという捜索海域の映像が上映された。暗い海中がライトで照らされ、船の白い柵のようなものの映像を、家族らは息をのんでじっと見詰めた。
上映後には「カメラが船内に入れてない」と怒号が飛び、海洋警察幹部に殴りかかる男性も。速い潮流で捜索が難航している状況に理解を得るつもりが、かえって当局への不満をあおる結果となった。
進展しない捜索にいら立ちを募らせた親たちは口々に「バスで青瓦台(大統領府)に行こう」と政府との直談判を主張した。
一方、災害などで生存率が低下する「発生後72時間」が過ぎ、「心の準備」を口にする人も出始めた。
不明者の父母を除く親戚らは午後、体育館の外で今後の対応を協議。ある男性は「現実を直視するよう両親に伝えるべきだ」と主張した。
長引く体育館での寝泊まりに家族の疲労は蓄積。急病人などの応急処置をする簡易ベッドは多くが埋まり、横になった人々は家族に体をさすってもらったり、ぬれたタオルで髪の毛を拭いてもらったりしていた。(共同/SANKEI EXPRESS)