絵になる男だ。投球フォームも立ち居振る舞いも、三振を奪っての雄たけびも、うなだれてさえも美しい一枚の絵となる。
レンジャーズのダルビッシュ有(ゆう、27)は5月9日、本拠地のレッドソックス戦に先発し、九回2死まで強打線を無安打無得点に抑えたが、「ビッグパピー」こと主砲のオルティスに右前安打を許して降板した。ベンチへ歩くダルビッシュはさすがに悔しそうだったが、スタンドは満場の拍手で迎え入れた。
オルティスの二遊間をゴロで抜けた安打も、極端なオルティス・シフトを敷かなければ平凡なセカンドゴロで試合終了のはずだった。
昨年(2013年)4月、アストロズ戦でも完全試合をあと1人で逃しており、これが2回目。あのときは試合後に平静を装いながら、ツイッターに「あと1人て。。なんでやねん」とつぶやいた。今回は珍しく自ら「悔しい」と口にしたが、後に続けた言葉がまたいい。「こういうピッチングを多くやって、あと1人でできなかった世界記録を作ってレジェンド(伝説)になりたい」