東京電力は5月21日、福島第1原発で汚染水を減らす対策の一つである「地下水バイパス」の運用を開始し、地下水561トンを海に放出しました。
Q どんな仕組みなの
A 1~4号機原子炉建屋から山側に80~200メートル離れた12本の井戸で、建屋に流れ込む前の地下水をくみ上げて一時貯留タンクに集めます。集めた水の放射性物質の濃度を検査し、東電が定めた基準値以下なら海に放出します。
Q なぜ放出する必要があるの
A 原子炉建屋には1日約400トンの地下水が流れ込んで汚染水が増え続けています。汚染水を保管するタンクの容量には限りがあり、建屋への流入量を少しでも減らすことが喫緊の課題です。
Q どれくらい流入量を減らせるの
A 東電は1日数十~100トン減らせると試算していますが、地下水の動きは目で確認できないため、実際の効果が分かるまでには2、3カ月かかると説明しています。
Q 海に放出しても大丈夫なの
A 東電は国の法令基準よりも大幅に厳しい独自の基準を定めました。例えば放射性セシウム134は60分の1、セシウム137は90分の1、トリチウムは40分の1の数値です。