米国の宇宙ベンチャー、スペースXは5月29日、国際宇宙ステーション(ISS)に人員を運ぶ民間初となる有人宇宙船「ドラゴンV2」の試作機を公開した。2017年の運用開始を目指す。米航空宇宙局(NASA)は人員輸送をロシアのソユーズ宇宙船に依存しており、ウクライナ情勢をめぐりロシアとの関係が悪化するなか、民間による「宇宙タクシー」の早期実現を全面支援する。V2は使い捨てのソユーズとは違い、何度も飛行が可能。最大7人乗りで、タッチ式のコントロールパネルやスポーツカーのようなシートを備え、乗り心地も快適だ。
再利用可能、広いスペース
「これは、まさに次世代の宇宙船だ。宇宙開発における大きな前進であり、文字通り新たなレベルに到達した」
カリフォルニア州のスペースXの本社で試作機をお披露目したイーロン・マスクCEO(42)はこう胸を張った。
V2は自動でISSにドッキングし、高度な技術が求められるロボットアームでのキャッチは不要。地球への帰還の際、エンジンを噴射しながらゆっくりと地上に着陸できるのが最大の特徴。「ヘリコプター並みの精度でどこにでも降りられる」(マスク氏)という。