一方、香港紙、明報によると、デモ参加のため空路で(6月)1日までに香港に到着した台湾の民主活動家、曽建元氏が、香港国際空港で理由を告げられないまま入境を拒否された。民主化活動の広がりに香港政府は神経をとがらせているようだ。
中国本土でも、事件の関係者が厳しい監視下に置かれるなど当局は例年以上に警戒を強めている。
≪世界初の常設記念館 USBメモリーで情報拡散期待≫
香港・九竜地区の一角に4月、天安門事件の犠牲者を追悼する「六四記念館」がオープンし、中国本土から観光や留学目的で入境した大学生らが詰め掛けている。香港の民主派団体が開設したもので、事件に関する常設の記念館としては世界初という。数十平方メートルのこぢんまりとしたスペースながら、資料や画像などがまとめられている。
犠牲者の資料を熱心に見ていた男性は匿名を条件に取材に応じ、「広東省から来た大学生だ。記念館の開館は香港からの情報で知った。事件を大学内の小グループでひそかに研究している」と明かし、「真相究明と責任追及を行わない限り、中国に未来はない」と小声で話して立ち去った。