手をかけた逸品
一方、ディナーコースの前菜は、看板メニューの「ビュルゴー家の鴨肉を使ったテリーヌ」。フランス産鴨肉と、ミンチにした豚肉を高温で1時間、低温で2時間焼くというほど手をかけた逸品。一緒に口に含むとさながら肉の“二重奏”だ。
「穴子の炙りサラダ仕立て」は、瀬戸内海でとれる伝助穴子を鱧(はも)のように骨切りして皮も身も炙り、トマトや香草のディル、赤い葉野菜のトレビス、アサツキなどと一緒に提供される。
もっちりと弾力のある穴子に粉状の黄色いカラスミをまぶすと塩気が増し味わい深い。酸味のあるバルサミコソースに絡めると、また別の奥深い味わいが楽しめる。
「オマール海老のポワレ」は全長二十数センチのカナダ産の海老の半身を使ったメニュー。海老の出汁をベースにしたアメリケーヌソースとバターソースがたっぷりとかけられた濃厚な一品。身が詰まったツメの部分は食べやすいように殻がむかれているのがうれしい。