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【タイガ-生命の森へ-】逆さまに映し出す水鏡 (1/4ページ)

2014.6.9 16:55

カラフトグワイはロシア極東やヨーロッパの寒冷地に咲く水生植物。北海道では絶滅危惧種=2012年6月28日、ロシア・クラスヌイ・ヤール村(伊藤健次さん撮影)

カラフトグワイはロシア極東やヨーロッパの寒冷地に咲く水生植物。北海道では絶滅危惧種=2012年6月28日、ロシア・クラスヌイ・ヤール村(伊藤健次さん撮影)【拡大】

  • ビキン川の浅瀬に潜ると降り注ぐ光の中を小魚が群れていた=2012年6月23日、ロシア・クラスヌイ・ヤール村(伊藤健次さん撮影)
  • 森から染み出た湧き水がビキン川を潤す=2012年6月23日、ロシア・クラスヌイ・ヤール村(伊藤健次さん撮影)
  • 川岸に立ち小魚を狙うアオサギ=2013年6月22日、ロシア・クラスヌイ・ヤール村(伊藤健次さん撮影)
  • 川旅の昼食。川の水を汲みたき火を起こす。その間に魚を釣っておかずにする=2012年6月23日、ロシア・クラスヌイ・ヤール村(伊藤健次さん撮影)
  • ロシア・クラスヌイ・ヤール村、ビギン川

 いくつもの枯れ木が沈んだタイガの水辺に、白い花が咲いていた。カラフトグワイだ。風のない水面がきれいな水鏡となって、鬱蒼(うっそう)とした森を逆さまに映し出す。

 水面に溶け込んだ森。逆さまに並ぶ花々。動物の角のような枯れ木-。わずかに揺らいだ対称的な風景をじっと眺めていると、不思議な気持ちになってくる。いま目にしている風景の陰にも目に見えぬ水面下の空間が深く広がっている。気がつかぬだけで、世界はいつも絡み合った複数の層が潜んでいる、そんな暗示がにわかに浮かんでくるのである。

 それはタイガの“けもの道”でも感じることだった。広葉樹と針葉樹が混ざり合うウスリータイガは木の密度が濃く、全体に背が高い。密林に入ると巨木の群れにとり囲まれた感覚だ。その中に続くけもの道-そこを人も通るのだが-を歩いていると、巨木を支える目に見えぬ根が、足元にも密林のように張り巡らされている不思議さを思わずにはいられない。

 そして人が去った同じ道をクマやイノシシが歩き、夜の闇の中、タイガの王であるアムールトラが堂々と歩いているのである。

猟師のカルーギン兄弟と3人で

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