この事件では、殺人罪に問われているセウォル号の船長、イ・ジュンソク被告らを起訴したのは韓国南西部全羅南道の光州(クアンジュ)地検木浦(モクポ)支部だった。対応する裁判所は本来、光州地裁木浦支部だが、裁判官の体制や法廷設備の事情から異例の措置として公判は光州地裁本庁で開かれる。
6月10日の初公判では多数の被告を一度に廷内に収容するため法廷を改造。被告・弁護側の座席を8から24に増設し、検察側の席も4席から6席に増やした。
裁判所は、実際に公判が開かれる「主法廷」(103席)のほか、同じ階にモニターとスピーカーを設置した「補助法廷」(75席)の2つを開設。一般傍聴席は2つの法廷にそれぞれ10席を用意した。
裁判所はさらに、初公判に備えて、心的外傷ケアの専門家を招いて職員教育を実施。職員が事件関係者に接する際の注意事項を研修した。いずれ証人出廷する可能性もある乗客や遺族らの立場や精神状態を事前に把握し適切に対応することで、関係者の精神的負担の軽減に役立てるという。(ソウル 加藤達也/SANKEI EXPRESS)