わずか31年の人生で約1000曲もの作品を作曲したウィーンの作曲家シューベルト。歌曲「魔王」や交響曲「未完成」など多くの作品が今日もひんぱんに演奏されている。月刊音楽情報誌「モーストリー・クラシック8月号」は、シューベルトの生涯と作品の魅力を探る「夭折の天才 シューベルト再発見」を特集している。
「魔王」など600曲超
中学の音楽の授業で、ゲーテの詩にシューベルトが作曲した歌曲「魔王」を習った読者もいるはず。父親と一緒に馬で帰る子供が、「お父さん、お父さん、魔王がいるよ。見えないの?」と怖がり、たどり着いたら息絶えていた、という内容で、音楽と相まって、その怖さに打ち震えた人もいるだろう。
このほか、ドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラーの詩による歌曲集「冬の旅」と「美しき水車小屋の娘」、そして「白鳥の歌」の3大歌曲集をはじめ、「野ばら」や「アヴェ・マリア」など歌曲だけで約600曲も作曲、「歌曲王」と称されている。