「U-20」という言葉を聞くとサッカーを思い起こすが、囲碁でもU-20の世界大会が日本発で創設された。
「グロービス杯 世界囲碁U-20」。20歳未満の世界のプロ棋士を対象にした大会で、世界初だ。
「若手を鍛える場を設けたかった」。創設した経営者、堀義人さんはそう語る。囲碁は現在、中国、韓国が実力上位で、日本の底上げを図るには10代から切磋琢磨(せっさたくま)する環境が求められていた。
囲碁界の期待を背負った日本棋士は奮闘し、16歳だった一力遼(いちりき・りょう)七段が見事、優勝を果たした。
スポーツや芸事同様、囲碁や将棋も幼い頃から始めるのがよいとされる。地方に住む子供は師匠の内弟子になるため上京することもある。
私と同年代(40代)の棋士は小学5年で親元を離れたという。小学生で進むべき道を決めるとは、いくつになっても腰が定まらない身にとっては信じがたいが、本人は「東京に行こうと思いまして」と飄々(ひょうひょう)としている。