【牧野直子の健康ごはん】
初夏に出回る豆アジは体長5~8センチで、エラと内臓を除いて、カラリと揚げるか、カリッと焼けば、骨ごと食べられます。定番料理はそれを酢やしょうゆ、砂糖、赤唐辛子などに漬ける南蛮漬け。その洋風版がエスカベシュ(エスカベッシュともいう)です。
ワインビネガーや柑橘類の果汁、塩、砂糖などを合わせたものに漬ける地中海料理です。骨ごと食べられるので、骨のカルシウムが期待できますが、さらに酢や柑橘類の酸味はカルシウムの吸収を助けてくれるので、効率よくカルシウムが補える1品といえます。
また、アジは血中のLDL(悪玉)コレステロールを減らし、HDL(善玉)コレステロールを増やす働きのあるEPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれます。ビタミンB2も比較的多く、脂質の代謝を促したり、体内で過酸化脂質ができるのを防ぎます。
過酸化脂質は動脈硬化や老化を進めさせ、発がん性もある有害物質なので、ビタミンB2は生活習慣病予防に欠かせません。