李氏が、胡錦濤政権で序列9位の大物政治家である周・前党政治局常務委員の側近ということはよく知られていたからだ。周氏が四川省トップの党委員会書記を務めていた2000年ごろに、李氏は成都市長として支えた。周氏の経済問題を最もよく知る人物の一人だと言われている。
李氏失脚から間もなくして、蒋潔敏・国有資産監督管理委員会主任、李東生・公安省次官ら周氏の腹心といわれる人物が次々と拘束された。中国メディアの統計では、今年7月までに周氏の元部下や親族ら300人以上にのぼる。そして李春城氏からスタートした周氏失脚劇は、今月(7月)29日に終了。500日以上もかかった計算になる。習国家主席はなぜ、ここまでして周氏を追い詰めなければならなかったのか。
江氏との関係悪化
共産党筋はその理由を以下のように説明する。まず、周氏は12年に失脚した薄煕来・元重慶市党委書記(65)と極めて近い関係にあり、以前、薄氏を最高指導部入りさせようとさまざまな画策をしたことがあった。薄氏は服役中だが、若者や貧困層の間ではいまだに人気。警察や情報部門に大きな影響力を持つ、薄氏の盟友・周氏を温存させることは習政権にとって危険だったというのだ。