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自らつくる、広島までの道のり 幅允孝 (3/5ページ)

2014.8.5 18:30

ひろしま#9_Ritsu_Ogawa(写真集「From_ひろしま」から、広島平和記念資料館所蔵、提供写真)

ひろしま#9_Ritsu_Ogawa(写真集「From_ひろしま」から、広島平和記念資料館所蔵、提供写真)【拡大】

  • 「From_ひろしま」(石内都著/求龍堂、8640円、提供写真)
  • 写真集「ひろしま」(石内都著/集英社、1944円、提供写真)
  • 「八月の青い蝶」(周防柳著/集英社、1512円、提供写真)
  • 【本の話をしよう】ブックディレクター、幅允孝(はば・よしたか)さん(山下亮一さん撮影、提供写真)

 刊行後も撮影

 石内は7年間、この広島での撮影を続けている。年を追うごとに少なくなる寄贈遺留品を丁寧に撮っている。そもそもは2008年に出版された『ひろしま』(2)という写真集のプロジェクトで始まった撮影だったが、その本が刊行された後も彼女は広島へ通い撮影することをやめようとしなかったのだという。彼女は、自身の中で血肉化してゆく広島との結び目を日に日に実感することができたのかもしれない。遺った物ものを凝視することでできた結節点は、強く固いものだったのだ。

 群馬で生まれ、横須賀で育った石内は、あとがきで「私にとって写真を撮るというアプローチがなければ教科書的な知識で終わっていたはずだ。」と広島のことを語っている。だが、横須賀という米軍基地の街にうごめく人々や闇、つまり「街の傷跡」を撮ることから写真家人生をスタートさせた彼女が、30年の歳月を費やして「広島の傷跡」にたどり着いたことが「ひとつの道筋」だったと、今なら彼女は言い切れる。

凝視することから

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