まだ23歳の弓木英梨乃は、堀込曰く「若い女性のギタリストが真ん中でバリバリ弾いている絵は明らかに面白いと思って」大抜擢(ばってき)され、その当人は「アルバムを作るのもバンド活動も初めてで新鮮だし、毎回みなさんが違う演奏をするのも新鮮で、ついて行くのは大変だけど楽しい」と話す。ここに「エレガントなコトリンゴさん」(堀込)が加わり、どの曲からも楽器で会話するように和気藹々(あいあい)と演奏している様子が伝わってくる。
なかでも評判の高い「雲呑ガール」は、各自がエキゾチックなフレーズから感じる雰囲気を追いながら曲を完成させ、最後に新宿にある花園神社の蛇娘を想起させる歌詞に行き着いたという。
「『先にギター1本で弾いたメロディーと歌詞があって』ということだと、どうしてもその歌詞に縛られたアレンジになりがちですよね。でも僕は『音楽』を作りたいわけだから、音楽的に自由に発想して、そこにフィットする歌詞を付ける方がやりやすい」(堀込)