東京電力福島第1原発で、トレンチと呼ばれる地下道にたまった高濃度汚染水を抜き取るため、タービン建屋との接続部を「氷の壁」で遮断する工事がうまく進んでいません。東電は、セメントなどの止水材を投入する追加対策を進める方針を示しました。
Q トレンチとは何ですか
A 福島第1原発の建屋海側にある地下道で、電源ケーブルなどが通っています。事故で溶けた燃料を冷却した後の汚染水がたまるタービン建屋の地下ともつながっています。2、3号機のトレンチには約1万1000トンの高濃度汚染水がたまっているとみられます。
Q 「氷の壁」とはどんな工事ですか
A 東電は建屋とトレンチの接続部を凍らせて水の流れを止める「凍結止水」という方法を選びました。水中に凍結管を入れ、水を壁のように凍らせます。建屋とトレンチを行き来する水をせき止めてからトレンチの水を抜く計画で、2号機で先行して始めました。