象牙を目的とする密猟のせいで、2010~12年の3年間にアフリカ諸国で約10万頭のゾウが殺されていたことが、米コロラド州立大学のジョージ・ウィッテマイヤー准教授率いる研究チームの調査でこのほど分かった。最も被害が深刻な中央アフリカではこの10年間で64%も頭数が減っており、このペースで減り続けると100年後にはアフリカでゾウが絶滅するという。象牙はワシントン条約で国際取引が禁止されているが、中国人が高値で買いあさるため密猟や密輸が一向に減らないのが現状だ。研究者らは巨大な体を持つゾウが減少すると、他の動物たちの生活にも大きな影響が出て、アフリカの生態系が崩れると懸念を示している。
手口が悪質化
ウィッテマイヤー准教授らは調査結果を科学アカデミー紀要で発表、AP通信や米ネイチャー系ニュースサイト、ナショナル・ジオグラフィック・ニュースなどが8月18日に報じた。
報道によると、ウィッテマイヤー准教授らは、アフリカ大陸でアフリカゾウの頭数を調べる初の大規模調査を実施。ワシントン条約の運用団体が02年から使用中のシステムのデータなどを利用し、ゾウの死骸から自然死か密猟かを特定して初めて密猟の正確な数をまとめた。