【京都うまいものめぐり】
≪こだわりに自主規制なし≫
鴨川を臨み、東山三十六峰を一望できる京都随一のロケーションと優れたもてなしで、今年2月の開業以来、ぐんぐん存在感を高めている最高級ホテル、ザ・リッツ・カールトン京都。その地下1階にある日本料理店「水暉(みずき)」では、会席料理とおすし、天ぷら、鉄板ダイニングの4種類が楽しめるが、どのメニューも和食や京料理といった概念を軽やかに超越し、世界に向けた真のオリジナリティーを追求する逸品ぞろい。「“食べるアート”をご提供し、世界に向けてメッセージを発信したい」と意気込む。
和食や京料理という概念にとらわれず、世界に門戸を開くという姿勢は店内を一瞥(いちべつ)しただけで分かる。
天井などを彩る和傘をモチーフにした照明は、京都市の和傘製造販売の老舗で、海外でも評価の高い日吉屋の製品。また欄間には富山県の伝統工芸で釘を使わず木を組み付ける繊細な「組子」を採用するなど、さりげない日本の美が世界中から訪れる人々を魅了する。そんな洗練された異空間で提供される逸品も想像以上のものだった。