JR東海は8月26日、2027年に東京・品川-名古屋間での開業を目指すリニア中央新幹線の工事実施計画の認可を国土交通省に申請した。認可後、10月にも着工する見通しだ。45年の大阪までの全線開通にかかる建設費が総額9兆円超に上る巨大プロジェクトが動き出す。巨額の資金調達による経営への影響や環境への配慮など課題も山積だ。
JR東海の金子慎副社長は、申請後に東京都内で記者会見し、「認可が得られ次第、安全面や環境面に十分配慮して工事を進めたい」と述べた。
提出した工事実施計画には、品川-名古屋間の総工事費が5兆5235億円になるとの見通しを盛り込んだ。内訳は、区間(286キロ)の86%を占めるトンネル関連費用が1兆6219億円と最も多く、用地関連費用が3420億円などとなっている。総工事費は、高性能設備の導入や人件費の上昇などを踏まえ、当初見込みに比べ935億円増える。