この報道を受け、海外メディアが朝日新聞の記事を引用し、「恥ずべき物語」「セウォル号事故と同一」などと一斉に報じた。しかし、吉田調書を入手した産経新聞が8月18付で「命令違反の撤退なし」と報道。政府は11日夕に非公表だった吉田氏の聴取結果書をホームページで公表した。
≪「痛恨の極み」「深くおわび」≫
「読者および東京電力の皆さまに深くおわびを申し上げます」。朝日新聞の木村伊量(ただかず)社長はカメラのフラッシュが一斉にたかれる中、「吉田調書」報道を全面的に誤報と認め、深々と頭を下げた。
11日午後7時半から東京・築地の朝日新聞東京本社で開かれた記者会見には、100人を超す報道関係者が詰めかけた。
原発作業員たちを“敵前逃亡”した「恥ずべき物語」としておとしめた朝日報道。木村社長は「調書を読み込む過程で評価を誤り、多くの東電社員が逃げ出したかのような印象を与える間違った記事だと判断した」と淡々と語った。