北朝鮮が拉致を認めた日朝首脳会談から17日で12年。拉致被害者らの再調査が7月に始まったが、報告時期は不透明のままだ。
「北朝鮮はおかしい国なので難しいのは分かるが、こんな長い間、何をやっているんだろうと思う」。日朝首脳会談で「死亡」とされ、今も帰国できていない拉致被害者、横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(78)は語る。
12年前の会談では、金正日(キム・ジョンイル)総書記が拉致を認めた上で小泉純一郎首相(当時)に謝罪。現在政府が認定している拉致被害者17人のうち、蓮池薫さん(56)ら5人が帰国を果たした。一方で、北朝鮮はめぐみさんら8人を「死亡」、4人を「未入国」としている。
しかし、北朝鮮が出してきた書類には改竄(かいざん)や捏造(ねつぞう)の疑いがあり、めぐみさんのものとして出してきた「遺骨」も日本側のDNA型鑑定で別人のものと判明。日本政府は被害者の即時帰国を求めている。
長く従来の主張を変えなかった北朝鮮は今年5月に、拉致被害者らの再調査をすることで日本と合意。7月に調査が始まり、日本政府は北朝鮮に対する独自制裁の一部を解除した。今月にも最初の調査結果報告がある見込みだが、具体的な日程は決まっていない。