オーストラリア連邦警察は18日、シドニーやブリスベンなどで豪州史上最大の対テロ一斉家宅捜索を行い、15人の身柄を拘束した。トニー・アボット首相(56)は、シリアやイラクで活動する過激派「イスラム国」の支援者が、国内で一般市民の「公開殺人」を計画しているとの情報があったと明らかにした。豪政府は14日に、イラクでイスラム国打倒を目指す有志国連合の一員として、戦闘機や空軍兵士ら600人をアラブ首長国連邦(UAE)に派遣すると表明。報復を恐れ、テロ警戒レベルを引き上げていた。
母国で「市民を斬首刑に」
フランス通信(AFP)などによると、家宅捜索は18日未明、800人以上の警官を動員して20カ所以上で行われた。アボット首相は記者団に、「イスラム国に加わっている豪州国籍の戦闘員から、国内の支援者に無差別テロの指示が発せられたという情報を治安当局がつかんだ。内容は、『一般市民を誘拐し、イスラム国の旗で包んで斬首刑に処し、その様子を撮影してインターネットで映像を公開せよ』というものだった」と語った。テロ計画に関与したとして拘束した15人のうち、少なくとも1人は重大な関連容疑がかけられているという。