ジャンル分けしない
『嫌われ松子~』のようなヒューマンストーリーから、『百年法』や本書のようなSFミステリーまで。作品の幅が実に広い。「アイデアを考えているときに、自分の中でジャンル分けはしていません。こだわるところは『一気読み』してもらえるかどうか。ネタ選びから文章まで、すべてはそれを実現するためにやっている」
原体験は20年前に読んだ大沢在昌さんの『新宿鮫』。「それまではあまり本を読んでいなかったんですが、『新宿鮫』を読んだとき『これが一気読みの快感か』と思った。そういう体験を自分の読者にも味わってもらうことを常に目指しています」(塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS)
■やまだ・むねき 1965年、愛知県生まれ。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了。98年、「直線の死角」で第18回横溝正史賞を受賞。2003年発表の『嫌われ松子の一生』がベストセラーになり、映画化される。13年、『百年法』で第66回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編編集部門)を受賞。他の著書に『天使の代理人』『いよう!』など。
「ギフテッド」(山田宗樹著/幻冬舎、1700円+税)