先日、日本で劇場公開された「イヴ・サンローラン」では、ファッションデザイナー、イヴ・サンローラン(1936~2008年)の公私にわたるパートナー、ピエール・ベルジェ役を熱演し、鮮烈な印象を残したギョーム・ガリエンヌ(42)。初めて監督を務めた新作コメディー「不機嫌なママにメルシィ!」では、脚本、主演にとどまらず、女装して主人公の母親役まで演じてみせた。
本作は、母親に女の子同然のように育てられたガリエンヌの半生をベースに描いた人気戯曲を映画化したものだ。フランスのアカデミー賞にあたるセザール賞では作品賞や主演男優賞など主要5部門を制覇し、興行的にも大ヒットを飛ばした。プロモーションで来日したガリエンヌは「作品で描いたエピソードのほとんどが本当に起きたことなんですよ。実際はもっと激しく、暴力的な内容でした。あからさまに映画で再現しなくても観客が理解できると思われる部分は表現を抑えました。面白いエピソードがたくさんあったので、選びだすのが大変でした」と振り返り、謎めいた笑みを浮かべた。