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「地産地読」という新しい小説のかたち 幅允孝 (4/5ページ)

2014.10.1 18:15

温泉でゆっくり『城崎裁判』はいかが?=2014年9月1日(三木屋撮影、提供写真)

温泉でゆっくり『城崎裁判』はいかが?=2014年9月1日(三木屋撮影、提供写真)【拡大】

  • 「城崎裁判」(万城目学)。城崎の外湯を巡る温泉奇譚。城崎温泉の外湯7カ所や旅館、宿泊案内所などで購入いただけます。NPO法人「本と温泉」、1700円。防水=2014年9月17日(提供写真)
  • 兵庫県豊岡市の城崎温泉
  • 【本の話をしよう】ブックディレクター、幅允孝(はば・よしたか)さん(山下亮一さん撮影、提供写真)

 だが、なぜか兵庫県の物語だけはいまだ書いていないではないか。しかも、僕は見つけてしまったのだ。ある雑誌で「後世に残したいクラシックス」として万城目が志賀直哉の『清兵衛と瓢箪』をお薦めしていたのを。ぱっと見たところ、似ても似つかぬ志賀と万城目ワールドだが、その2人の書き手の間には何らかの架け橋がかかる直感もあった。だから、昨年の冬と今年の春の2度、志賀直哉が実際に逗留した城崎温泉にある三木屋旅館の26号室に寝泊まりしてもらい、ゆるりと町を散策し、お湯に浸かりながら新しい城崎の物語を構想してもらったのだ。

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 そんな風にしてできあがった短編小説が万城目学の『城崎裁判』(1)というわけだ。あまり多くを語る気はないが、少しだけあらすじに触れておくと、投石で殺された先祖の無念を晴らそうと、イモリの化け物が城崎を訪れた小説家の過失を問う、といったところか。世にも奇妙で愉快な裁判ものは、まさに万城目学だからこそ描ける世界。しかも、ちゃんと志賀直哉の物語との接続しているではないか。見事に先人の物語を組み込みながら、現代の城崎温泉の描写も細やか。町のガイドとしても愉しめる仕上がりになっている。

城崎の磁場だからこそ

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