【KEY BOOK】『ライプニッツ著作集』8・9・10(工作舎)9720円・1万260円・9180円
8「前期哲学」、9「後期哲学」、10「中国学・地質学・普遍学」。最も知られている『モナドロジー』(単子論)は9巻に入る。世界を最小構成単位モナドにひそむ複合性の独自の開示とみなした論法は、青春時代のぼくを大いに熱狂させた。中国学では「易」の二進法について、地質学ではプロトガイアの仮説が提示される。ライプニッツを読むことは必ずしもラクではないが、今日の「関係の哲学」の先人として読むことを勧める。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)
■まつおか・せいごう 編集工学研究所所長・イシス編集学校校長。80年代、編集工学を提唱。以降、情報文化と情報技術をつなぐ研究開発プロジェクトをリードする一方、日本文化研究の第一人者として私塾を多数開催。おもな著書に『松岡正剛千夜千冊(全7巻)』ほか多数。「松岡正剛千夜千冊」(http://1000ya.isis.ne.jp/)