1964年、東京オリンピックの年に父の転勤に伴って初来日。米イェール大学などで学んだ後、77年に就職のため再来日した。日本の国土が「近代化」の名のもとに痛めつけられていくさまを長年見つめ続けてきた。『美しき日本の残像』(新潮学芸賞受賞)、『犬と鬼』などの著作を通じて警鐘を鳴らしてきたが、本書はその中でも特に気軽に読める内容となっている。「『犬と鬼』は学術的な本だったので、読みづらい部分もある。今回は文字も少なく、すごく分かりやすい内容になっています」
豊富なビジュアルに加え、至るところにちりばめられたブラックユーモアが気持ちをほぐしてくれ、ついついページをめくってしまう。
「ユーモアの加減は苦労しましたね。あまりにきつかったり、見下している感じになってしまうとダメ。かといってソフトすぎても面白くないし。うまいバランスに仕上がったと思います」