10月10日から14日までの5日間、中国の北京近郊で「ツアー・オブ・北京」が開催された。ツアー・オブ・北京は、世界最高峰のシリーズ戦である「UCIワールドツアー」におけるアジア唯一のレースで、毎年シーズンの最後に開催される。
初開催は2011年。自転車ロードレース競技のグローバル化を推し進める当時のUCI(国際自転車競技連合)のパット・マックエイド会長が、停滞する欧州の景気とは対称的に、好景気に沸く中国に着目して4年間の大会開催を約束する契約を結び、地元中国の主催者に競技運営のノウハウやロジスティックスを提供することとなったのだ。それまでUCIワールドツアーは、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニアでのレースに限られていたが、ツアー・オブ・北京が組み込まれたことで、初めてアジアにトップカテゴリーのレースがやってきた。
年々、地元の人気も高まり、とくに近年は北京に住む外国人の自転車愛好者たちが大会人気を後押しした。ツアー・オブ・北京の山岳コースに「パンダコーナー」なるものを設置。北京市内からバスをチャーターしてコースに向かい、パンダの着ぐるみを着て、選手たちを応援するなど、彼らの遊び心あふれるアイデアでツアー・オブ・北京は、他のレースとは大きく違う強い個性を放ち、多くの人に愛されるレースとなった。