学歴偏重の人物評価が生む受験競争や若年層の就職難、働く女性への支援の欠如などが相まって、恋愛、結婚、出産をすっかり諦めた世代を韓国では「三放世代」と呼んでいる。政府は1990年代には産児制限を撤回し、特に2006年以降は少子化対策に力を入れているが、目立った効果は挙げていない。
少子化の背景の一つには、70年代以降、食が足りていく中で、子供は少なく産んで大事に育てるという風潮が定着したこともある。塾代などを含めた教育費の私的負担では、韓国は世界一の高さだ。
「独身税」は、まず未婚者を減らすことから手をつけようという発想だが、韓国の少子化の根は深く、仮に導入されたとしても効果は不確かだ。