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絵柄も内容も 唯一無二の世界観 「青池保子 華麗なる原画の世界 ~エロイカからファルコまで~」 (3/4ページ)

2014.11.24 09:20

「エロイカより愛をこめて」(提供写真)。(C)青池保子/秋田書店

「エロイカより愛をこめて」(提供写真)。(C)青池保子/秋田書店【拡大】

  • デビュー作「さよならナネット」の展示もある=2014年11月14日、京都市中京区(提供写真)
  • 「エロイカより愛をこめて」展示ルーム=2014年11月14日、京都市中京区(提供写真)
  • 掲載誌も2会期合わせて120点が展示される=2014年11月14日、京都市中京区(提供写真)
  • 展覧会場の様子=2014年11月14日、京都市中京区(提供写真)
  • 「アルカサル-王城-」(提供写真)。(C)青池保子/秋田書店

 少女マンガの新境地

 フリー転身後の意識改革により、青池は本当に描きたいものを描くようになり、少女マンガの新境地を開いた。中でも青池らしい持ち味が結実したのが、「エロイカより愛をこめて」である。前述の作品とほぼ同時期に連載開始し、第1回は、「イブの息子たち」のドタバタを踏襲した感じであった。超能力を持った3人の少年少女たちが、美術品専門の大泥棒で男色家のドリアン・レッド・グローリア伯爵(別名:エロイカ)とともにドタバタを巻き起こすお話だったが、第2話から別の方向に転換する。伯爵とは真逆の硬派な性格のNATO情報部のエーベルバッハ少佐が登場し、主軸がシフトしたのだ。3人の存在は儚(はかな)くも消え、その後の物語は、伯爵と少佐をメーンに進む。国際問題など絡めつつ、行く先々で騒動を繰り広げていくスパイアクション・コメディーとして、独立独歩を貫くのだ。

 本作がすごいのは、ドタバタ群像劇の笑いと、緻密な舞台設定が絶妙なバランスで融合しているところである。冷戦など時代時代の社会情勢、ヨーロッパの歴史や美術の蘊蓄(うんちく)などが、シリーズごとに緻密に織り込まれ、単なるギャグコメディーの枠にとどまらない。読めば読むほど発見があり、キャラクターたちも成長していく。だからこそ、38年、いまなお続く人気シリーズとして愛されているのだろう。

2会期にわたり350点

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