鈴木は「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でコミュニケーション量は増えたけれど、密度はどうなのかと、人と対峙して言葉を交わす大事さも伝えている。いろんな要素が詰まっている作品で、お客さまには必ず何か『お土産』を持って帰ってもらえるはず」と意気込む。
セラピー受けてるよう
鈴木は物理学者に話を聞き、浦井は養蜂家を訪ねるなどして準備を重ねている。「杏ちゃんて、貪欲で真正面からチャレンジする『芝居オタク』」「浦井さんて、休憩中も台本ばかり読んでいてガードが堅い」と笑い合う2人。演出の小川絵梨子には全幅の信頼を置く。
浦井の台本は書き込みで真っ黒になったが、小川に没収され「書き込み禁止」と新しい台本を渡された。「やったことのない2人芝居で恐怖感があった。でも小川さんに『いったん全部捨てて、2人の間で起きる現象をちゃんと作ろう』といわれて楽になった」と浦井。鈴木も「表現で武装しがちなところを、小川さんが剥がしてくれる。演劇を使ってセラピーを受けているような感じ」と話す。