人気演出家、宮本亜門(56)とT.M.Revolutionの西川貴教(44)がタッグを組み、シェークスピア初期の喜劇を現代によみがえらせる。あす7日に東京で開幕する「ヴェローナの二紳士」で、1971年に米国で上演されたミュージカル版がベース。現代版に翻訳した「宮本版」はラテン音楽の要素もちりばめた、「めちゃめちゃ変わったシェークスピアになる」(宮本)という。
「(出身地の滋賀県で)農家の蔵でバンドを始めた僕が、シェークスピアと向き合う日が来るなんて」と感慨深げな西川。対して宮本は「彼が『シェークスピア俳優としてすごい』とみんなに言わせたい」とハッパをかける。
ミュージカル版「ヴェローナの二紳士」は、イタリアの片田舎ヴェローナからミラノに出てくる若者2人をめぐるドタバタの恋模様を軸に、ロックやポップスを背景にベトナム戦争や人種差別など、当時の社会問題も浮き彫りにした。翌72年にトニー賞の最優秀作品賞と最優秀脚本賞を獲得している。
日本では75年に劇団四季が上演した程度で、それほど知名度の高い作品ではない。宮本は四季の舞台を見て感銘を受けて長年、上演の機会をうかがっていた。シ
ェークスピア生誕から450年の節目でもある今年、念願の上演にこぎつけた。