NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(2013年)でフレッシュな海女姿を披露し、一躍国民的な人気者となった能年玲奈(21)が、主演映画「海月姫(くらげひめ)」(川村泰祐監督)で極端に内気な「クラゲオタク」を熱演した。彼女の名は月海(つきみ)。寝ても覚めても頭の中はクラゲのことで頭がいっぱいのこの一風変わったヒロインは、水族館に行けば、ふわふわと水槽の中で浮遊するクラゲの神秘的な美しさにわれを忘れてしまい、その異様なのめり込みぶりで周囲を唖然(あぜん)とさせてしまう。
脚本を手にした能年はまさにわが意を得たりの心境だった。「私は月海にすごく共感できるんですよ。目の前のことに猛烈に集中している月海の姿は見ていて『いいなあ』と思うんです。月海と私が似ているのは集中力です。大好きなことに取り組むとき、私も月海のようにいきなり、周囲のことなんかどうでもよくなってしまうほど、没頭してしまいますから」。もう一つ、共感できるところは出不精なところ。能年は「私も家から外に出るときにパワーがいるので…」と恥ずかしそうに答えた。