「子供たちを学校に行かせられるようになったことが一番うれしい」と明るく話す。「ここに来て怖いことを思い出すことが減り、精神的に落ち着きました。たくさん働けるし、子供に手をかけられるんです。(家があったり勉強できたりすることで)子供たちの中にも、自信が出てきたように感じています」
お母さんの言葉を裏付けるように、長女のアバテシちゃん(9)は「家があるって素晴らしい。友達がいるって幸せなのよ」と笑う。
とはいえ、周囲にはジェノサイドの加害者も住んでいる。ローズさんは、「私たちは調和して生きようとしています」と前を向く。また、両親と兄弟を殺された別の男性はこう言った。「過去に起きたことは変えられない。それに、加害者の方がきっと大変なんだ」。そういう目には、底なしの深い悲しみが宿り、自分の言葉を自身に言い聞かせているようにも見えた。皆生きるために強くなる、という覚悟をした人たちなのだ。平和再構築の活動は、この地域の人々が前を向いて生きるために必要な活動なのだと、この時知った。