本書では、批評家としてではなく、あくまでも紹介者として本を語る。「本って、読み方は自由。『ダンテの神曲はこう読まなきゃ!』なんてない。本の読み方の自由を奪いたくないんです。紹介者として僕がやるべきことは、一人の幅という人間が、この本を読んでどう心が駆動したか、その熱を伝えることだと思っています。熱が少しでも伝わって、『ちょっと読んでみようかな』と思ってもらえればうれしいです」
まるでおもちゃ箱
巻末に収録されたブックリストを見ても、純粋な好奇心が伝わってくる。ポテトサラダについて熱く語る『ポテサラ酒場』から、宅老所発の雑誌、サッカー史に名を残す名選手・イブラヒモビッチの自伝まで。まるでおもちゃ箱を開けたようなにぎやかさだ。「僕の頭の中がいかに雑多かバレてしまいますね(笑)。あまり普通のブックレビューでは紹介しないものを取り上げたくて」