米動画配信大手のネットフリックスが9日(米時間)、キューバでサービスを開始したと電撃発表した。米企業がキューバに本格進出する初めての事例だという。国交正常化交渉開始に伴い米政府はキューバへの経済制裁の一部撤廃を表明しており、キューバ国民のネット閲覧が近く自由になることを見越して9日からのサービス開始に踏み切った。ただ社会主義国で庶民の暮らしは貧しく、利用者が思惑通りに増えるかはなお不透明だ。
経済制裁の緩和受け
「世界中で愛される映像作品をキューバの人々がやっとネットフリックスで楽しめるようになり、喜んでいます」
ネットフリックスのリード・ヘイスティングス最高経営責任者(CEO、54歳)は9日に発表した声明でキューバでのサービス開始をこう祝福した。
ネットフリックスの中南米での会員数は約500万人。人口約1100万人のキューバは中南米でのサービス拡大を目指すネットフリックスにとっては魅力的な市場で、ヘイスティングス氏は「キューバは素晴らしい映像作家と芳醇(ほうじゅん)な芸術文化を有しており、われわれはいつか、キューバのそうした映像芸術作品を全世界5700万人の会員に伝えたい」と最大限の賛辞を贈った。