岩手県釜石市に拠点を置くラグビーのクラブチーム「釜石シーウェイブス(SW)」が14日、埼玉県の熊谷ラグビー場で、初のトップリーグ(TL)昇格を懸けた入れ替え戦に臨む。日本選手権7連覇を達成した新日鉄釜石を前身とする地域密着型のチームは、東日本大震災による存続危機を乗り越え、街に新たな光をともすことができるか。地元の期待は高まっている。
解散覚悟も…
釜石にとって、ラグビーは街の一部といっていい存在だ。だからこそ、2000年度を最後に新日鉄釜石という企業チームがなくなった後も、SWという地域密着型クラブとして存続してきた。
東日本大震災では壊滅的な被害を受け、SWは一時活動休止に。須田康夫主将(31)は「ラグビーどころではないと思った」と解散を覚悟したと振り返る。それでもサポーターらから存続を求める声が相次いだ。
「お前たちがやることはラグビーだろう」
ボランティアとして支援物資を運ぶ選手にそんな声がかかることもあったという。03年に発足した国内最高峰リーグ、TLに昇格して釜石を活気づけることこそチームの役割だと関係者は胸に刻んだ。