【メディアと社会】
イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)と世界各地に広がったその同調者たちの暴虐行為がとどまるところを知らない。ISは、人質にした湯川遥菜(はるな)さんとフリージャーナリスト後藤健二さんを殺害したとする写真と映像を公開したほか、ヨルダン軍のパイロット、カサスベ中尉を焼き殺す映像や、リビアでエジプト人のキリスト教徒を集団で殺害する映像も公開し、残虐ぶりを世界に喧伝(けんでん)している。
ほくそ笑む者報じる責任
欧米メディアの多くは、この過激組織を「Islamic State」の呼称で、日本のメディアは「イスラム国」との呼称で報道しており、イスラム教関係者から、「イスラム教への偏見を生む」「あたかも国家として印象付けている」との批判が噴出。呼称の見直しを求める声が高まっている。今回は、メディアが広めるイメージという視点から、IS問題を考察しておきたい。