日立製作所は24日、鉄道事業強化を目的に、イタリアの防衛・航空大手フィンメカニカと鉄道関連事業の買収契約を結んだと発表した。傘下にある鉄道車両の製造会社と、信号システム事業を手がける会社の2社をそれぞれ買収する。買収総額は約2500億円と、日立の企業買収としては過去最大規模となる。
今回買収するのは、フィンメカニカ傘下の鉄道車両メーカー「アンサルドブレダ」と、信号大手「アンサルドSTS」で、欧州を中心に受注実績を持つ。
買収が完了すれば、日立の鉄道事業全体の売り上げは2.5倍の年4000億円規模に拡大する。
フィンメカニカは、昨夏に鉄道事業売却を計画し、日立や仏企業など複数の陣営が名乗りを上げていたが、交渉途中で中国企業も買収の意向を伝え、最終判断に時間がかかっていた。
日立は、これまで国内と英国を中心に鉄道事業を展開。英国では、ロンドン中心部と都市間を結ぶ高速鉄道の車両更新事業などを受注してきた。今回の買収により世界規模での事業展開を加速する。