こう記すと「戦争の手先=自衛隊」派遣は×で「ボランティア=平和の使者」派遣は○といった、前時代的反論をする向きがあるが全くの誤認識だ。UNTACが限界・失敗も残した旨前述したが、最たる例が軍事部門の武装解除・停戦監視だった。ところがその後、軍事部門の主任務は選挙に携わる文民要員護衛や投票者/投票用紙/投票所/集計所/政党・候補者の保護などに移る。紛争地において軍と文民が平和維持の両輪でなければ、今後もボランティア青年のような犠牲者が出る。
安倍首相が強調する「積極的平和主義」への反対が「暴力を認める」ことと同義である国際の悲しい現実を、偏向メディアや左翼はいつになったら気付くのだろう。あるいは、気付いているのに…。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)