Keishi Tanakaが、2枚目のアルバム「Alley」を完成させ、4月22日にリリースする。流麗なストリングスが随所に織り込まれ、ホーンが高揚感をあおる軽快でポップな作品は、暖かくなってきたこの季節にぴったりの雰囲気だ。サウンドの華やかさは参加人数からもうかがえて、アルバム全体で19人に及ぶアーティストが参加している。
本人は「制作開始時期に聴いていたハーマースーパースターなどの新譜が、自分の好きなブルーアイドソウルのフィーリングに近くて刺激を受けました」と振り返る。最近よく耳にするライトタッチなソウルアレンジの楽曲は、彼が以前組んでいたバンド、riddim saunterが得意としていたサウンドの一つでもある。しかし今作で懐古的なものを目指したわけではなく、「10歳以上年下のバンドにも興味がありますし、諸先輩方の音楽も聴いていますが、32歳という年齢でいま自分が鳴らすべき音、というテーマも今作にはあります」という。キャリアやノウハウ、原点にある音楽性をアイデンティティーとしながら、旬なサウンドとリンクできているのは、一線で音を鳴らし続け、アーティスト性とポピュラリティーという二律背反的な要素をまとめ上げられる彼の才能だと感じる。