京都が世界から注目される。今年で3回目となる「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」の季節がやってきた。このKYOTOGRAPHIEは、日本および海外の重要作家や貴重なコレクションを歴史的建造物や近現代建築で展示・展開し、伝統的工芸職人や最先端テクノロジーとのコラボも実現するなど京都ならではの特徴ある写真祭を目指している。作家のセレクトのユニークさ、京都だからこそできる会場の選定、日本を代表する都市での開催ということで、海外へも発信できるコンテンツとして熱い視線が注がれている。
蔵・町家を活用し展示
京都といえば寺社仏閣や、庭園、さらには和食で、日本人のみならず世界から集まる外国人観光客を魅了してきた。しかし、文化の推進という意味では数多くの美術館やギャラリーがしのぎを削る東京、トリエンナーレが行われる横浜、そして、21世紀美術館が健闘する金沢に比べると、その都市名の認知度に比べて随分後れをとってきたのではないだろうか? もちろん、京都にも美術館はあるし、文化的なイベントが行われてこなかったわけではない。関係者の貢献と功労を否定するつもりはないが、世界に名だたる都市が提案する展覧会やイベントのクオリティーが果たして、常に国際的な水準に達してきたかどうかははなはだ疑問である。