東日本大震災の発生から18日で1500日となる。鉄道や道路など公共インフラは着々と復旧が進む一方、いまだ避難生活を余儀なくされている人は約22万5000人にも上る。復興のスピードは信じがたいほどに遅いが、被災者たちは「今」を必死に生き、決して希望を失うまいと歩み続けている。
全国から700匹
「今年もたくさんのこいのぼりを揚げるよ」-。
東日本大震災で犠牲となった子供たちが天国で寂しくないようにと、東北福祉大4年の伊藤健人さん(21)=宮城県多賀城市、写真=は毎年、5月5日のこどもの日に合わせ、宮城県東松島市沿岸にある大曲浜地区の空に、青いこいのぼりを揚げている。
震災があった2011年の5月から、県内の企業の協力などを得て始めた「青い鯉のぼりプロジェクト」。全国からこれまでに約700匹のこいのぼりが寄せられた。仲間や支援者も増え、東松島の復興のシンボルとなっている。
「これは、ぼくのこいのぼりだね」
そう言って、東松島市大曲の自宅で揚がった青いこいのぼりを指さして大喜びしていた末弟、律君=当時(5)=の声や姿を今も鮮明に思い出す。