14日、韓国当局は朴槿恵大統領への名誉毀損(きそん)容疑で在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長の出国禁止措置を解除した。この日夕刻、加藤氏は帰国した。8カ月にわたる出国禁止措置という異常な状態に終止符が打たれたこと自体は意味がある。韓国政府上層部に、「これ以上、日本との関係を悪化させることは、韓国の国益に反する」と冷静に考える人がいるので、こういう決断がなされたのであろう。
自国利益を最大限主張
<外務省幹部は14日、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に対する出国禁止措置を解除したことについて「当然のことだ。ずっと出国を認めろと言ってきたが、8カ月もかかった。(日韓関係が)ゼロからプラスになったわけではない。マイナスがゼロになっただけだ」と切り捨てた>(「産経ニュース」)。「マイナスがゼロになっただけだ」というこの外務省幹部の認識は甘い。加藤氏に対する裁判は、継続しているのだ。いまだ状況はマイナスである。マイナスの数値が少し減っただけである。